まるで絵本の世界を切り出したかのような世界観に包まれるダイニングバー。
ここでしか体験できない不思議な出会いをレポートする。
ビル入口のポップな看板とは裏腹に、入店するとスーツに身を包むフォーマルなスタッフが迎えてくれた。落ち着いた「いらっしゃいませ」という声はラグジュアリーなレストランを思わせる。
レストラン&バーというコンセプトのもと、おひとり様から団体まで広い客層に利用され続けるコーンバレー。渋谷駅前にも関わらず非常に広々とした店内。さらに2フロアあるというのが驚きだ。
英国調のゆったりとしたダイニングフロアを抜けた奥がバーカウンターとなっている。数百のボトルに囲まれた、オーセンティックなカウンターの一席に着かせてもらった。
ジャズミュージックを感じながら、種類豊富なドリンクメニューを眺める。カクテルはもちろんのこと、レアもののワールドビアも多く取り揃えられているためビール好きにはたまらない。
取材にお邪魔したのは日曜の昼下がり。まだまだ長い一日を楽しむためライトテイストで評判のPink Killerをオーダーした。
バーテンダーが目の前で注いでくれる鮮やかなピンク・エールに目を奪われ、気分は本場のビアパブそのもの。
口にすると、ほのかな苦みの後、グレープフルーツジュースを思わせる甘さが印象的。アルコール感は少なく非常にライトで、ゴクゴクと飲めてしまう。ビアカクテルをより軽くしたイメージというと伝わるだろうか。
ベルギービールは個性豊かな銘柄が多いのが特徴だが、まさにその代表の一つと言えそうだ。
コーンバレーではパーティープランも用意されており、ドリンクだけでなくレストランとしてのフードメニューも豊富。特に肉好きにはたまらないラインナップとなっている。
今回はその中でも少し珍しい、骨付きラムの瞬間燻製をいただいた。
席にサーブされると程よい燻製の香りが食欲をそそる。少しお行儀が悪いが骨を手掴みしてガブリと一口。ラムのクセを感じさせないサッパリとした香りに、とても柔らかくジューシーな仕上がり。適度な脂身を楽しんだところでお気に入りのドリンクを口にすると夢心地なひとときだ。
男性のみならず女性にも喜ばれるであろうこの一品、食事を楽しむときにはぜひ召し上がってほしい。
2杯目にはバーボンバックをオーダー。最近ウィスキーカクテルがお気に入りの筆者だが、種類が豊富なためどの銘柄がカクテルに向くのかわからず戸惑ってしまうところ。味の好みを伝えるとI.W.ハーパーをお薦めしてくれた。
バーボンの甘みを感じつつもスッキリと喉通りの良い味わい。他の銘柄と比べ、雑味の少なさが特徴というI.W.ハーパー。料理との相性も抜群によく、初めてバーボンウィスキーを飲む方にもお薦めできそうだ。
書斎や図書館をイメージしたという店内のレイアウト。一度大きく改装してから、オーナーのこだわり溢れる現在の姿となった。
夜の盛り上がりも魅力的であるだろうが、お昼過ぎの落ち着いた店内はまさに図書館の一室を思わせる空気。筆者も思わず本稿の筆が止まり一息ついてしまった。
インテリアにはこだわりの仕掛けが随所に溢れる。蔵書をイメージした形のメニュー表や、天井を見上げないと気付くことのない飾りつけ。中でもこのお店の強烈な個性と言えるのが、ディズニーのアイテムたちだ。
パーテーションに飾られているのは、オーナーが買い付けたというディズニー映画の絵画だ。大変貴重なものであるとのことだが、惜しげもなく店内のアクセントとして数種類展示されている。
さらに、上のフロアに案内してもらうと思わぬ素敵な出会いがあった。奥の特等席に座る常連客は、ミッキーマウスのためにミニーマウスがつくった愛くるしいテディベアのキャラクターだ。
筆者も様々なバーにお邪魔してきたが、ディズニーキャラクターのカップルが一足先に一杯やっているというのは初めての体験。隣のテーブルに案内された日は特別な思い出になること間違いなし。
バーカウンターはエントランスフロアに加え上のフロアにも用意されている。
友人との待ち合わせのとき、一人先に着いたときにはバーテンダーとの会話を楽しみ、その後はテーブルへ移動するなどの柔軟な利用もできそうだ。
「バーで飲む」というと少し気構えてしまう人もいるかもしれないが、コーンバレーはレストラン利用の客も多く店内が親しみやすい空気に溢れる点が魅力。
仲間とのディナーで賑わいたい夜も、シェイカーの音色でクールダウンしたい夜も一度訪れればその魅力を感じてもらえるはずだ。
Restaurant & Bar Corn-Barley 渋谷(コーンバレー渋谷)
東京都渋谷区道玄坂1-3-6 香山ビル3・4F
TEL 03-3477-1965
アクセス
渋谷駅徒歩3分
営業時間
12:00~24:00
定休日
なし(年末年始のみ休業)
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